YOSAN– Author –
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生活リズム・時間感覚
引っ越しできるのに、部屋だけ整えてしまう
今の部屋に強い不満があるわけではない。狭いと感じる日もあるし、収納が足りないと思うこともある。駅から少し遠い、日当たりが惜しい、隣の生活音が気になる。 条件を書き出せば、引っ越す理由はいくつかある。家賃もすぐに無理な額ではない。探せば候補... -
生活リズム・時間感覚
旅行のあとに、疲れより静けさが残る
旅行から戻った翌日、強い疲れを想像していたのに、実際には少し違うものが残ることがある。眠いわけでもなく、体が重いわけでもない。むしろ、部屋の中が少し静かに感じる。 洗っていないバッグが椅子に置かれたままでも、すぐ片づけようとは思わない。お... -
生活リズム・時間感覚
降りたあと、少し立ち止まる理由
電車を降りたあと、すぐに改札へ向かわず、ホームの端で少し立ち止まることがある。遅れているわけではない。次の予定が消えたわけでもない。 人の流れはそのまま前へ進んでいて、自分だけが少し速度を外している。数秒のことなのに、その数秒が前より目に... -
身体・感覚の変化
筋トレを再開しないまま、春が過ぎていく理由
暖かくなり、薄着の季節が視界に入り始める。かつての自分なら、このタイミングで迷わずジムの会費を払い、プロテインを買い直していただろう。20代の頃の筋トレは、努力がそのまま肉体の変化として返ってくる、最も効率的で嘘のない自己投資だった。筋肉... -
人間関係の距離感
LINEの返信が遅いのではなく、区切りを探している
スマートフォンの画面に浮かぶ、数時間前のメッセージ。 20代の頃のLINEは、もっと反射的で、速度そのものが快感だった。既読をつけてから数秒で返し、スタンプを応酬させ、深夜まで会話のラリーを続ける。そこには「会話を止める」という概念すらなく、電... -
人間関係の距離感
仲が悪いわけではないのに、誘わなくなる理由
ふとした瞬間に、最近会っていない友人の顔が浮かぶ。 嫌いになったわけでも、何かトラブルがあったわけでもない。SNSで流れてくるその人の近況を見れば、相変わらず好ましく思うし、応援したい気持ちも変わらない。それなのに、メッセージの画面を開いて... -
生活リズム・時間感覚
乗り換えが、以前より面倒になる理由
駅のホームで、乗り換え案内アプリが示す「最短ルート」を眺めて、小さくため息をつく。 20代の頃の乗り換えは、もっと軽やかなものだったはずだ。 階段を駆け上がり、最短で接続できる車両を熟知し、一分でも早く目的地に辿り着く。 移動は効率を競うゲー... -
生活リズム・時間感覚
家に近づくほど、気持ちが静かになる
最寄り駅の改札を抜け、駅前の騒がしさを背にする。 20代の頃の帰路は、もっと騒々しかったはずだ。イヤホンからは大音量の音楽が流れ、手元のスマートフォンでは誰かと絶え間なく言葉を交わしていた。街の灯りや行き交う人々の気配は、自分を刺激する情報... -
身体・感覚の変化
美容院で「いつも通り」の中身が変わっていく
美容院の椅子に座り、鏡越しの美容師と目が合う。「今日はどうしますか」という問いに対して、迷いなく「いつも通りで」と答える。そのやり取りは、かつての自分なら考えられないほど、ひどく簡素で、機能的なものだ。 20代の頃の美容院は、もっと騒がしい... -
人間関係の距離感
昔の同期に会う理由が見つからないまま時間が過ぎる
昔の同期を思い出すことはある。 名前を見たとき。 誰かの近況を通して知ったとき。 たまたま同じ業界の話題に触れたとき。 あの頃は、特に約束しなくても毎日会っていた。 隣の席でなくても、同じ時間の中にいた。 でも今は、会わないまま何年も過ぎるこ...