昔の同期を思い出すことはある。
名前を見たとき。
誰かの近況を通して知ったとき。
たまたま同じ業界の話題に触れたとき。
あの頃は、
特に約束しなくても毎日会っていた。
隣の席でなくても、
同じ時間の中にいた。
でも今は、
会わないまま何年も過ぎることがある。
会わなくなった理由は、特別な出来事ではない
転職。
異動。
退職。
そういう区切りはあった。
でも、
誰かと決裂したわけではない。
何かあって離れたわけでもない。
ただ、
会う前提の場所がなくなった。
それだけで、
関係は急に静かになる。
毎日あった接点は、
なくなると想像以上に戻らない。
会えば普通に話せる気は、たぶん今もある
もし偶然会えば、
普通に話せると思う。
近況を聞いて、
少し昔の話もして、
あの頃の名前も自然に出る気がする。
ぎこちなくなる感じはない。
だから、
距離が遠くなったと断言もしにくい。
関係がなくなったとも思わない。
でも、
それと「会う」は別になる。
連絡しない理由は、冷たさとは少し違う
嫌いではない。
避けたいわけでもない。
むしろ元気ならいいと思う。
でも、
そこで止まる。
何をきっかけに送るかがない。
誕生日でもない。
相談でもない。
報告でもない。
「久しぶり」が
少しだけ宙に浮く。
その浮いた感じを越えるほどの理由が、
見つからないままになる。
自分でも、なぜそのままなのか少し説明しにくい
忙しいからとも言える。
今さらとも言える。
生活が違うからとも言える。
でも、
どれも少しだけ足りない。
たぶん本当は、
昔の関係を今に持ち込む入口が
少し見えにくくなっている。
あの頃は
同じ場所にいること自体が理由だった。
今は、
その代わりになる理由を
自分で作らないといけない。
そこに少しだけ手が止まる。
関係が消えたわけではなく、動かないまま残る
完全に切れた感じはない。
でも近づきもしない。
この距離が長く続く。
思い出すことはあるのに、
予定にはならない。
昔の同期との関係は、
なくなったというより、
静かにそのまま置かれている。

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