職場を離れた人との距離だけが自然に残る

毎日会っていた人と、
会わなくなることがある。

部署が変わる。

転職する。

退職する。

理由はそれぞれでも、
ある日から急に
日常の中に出てこなくなる。

それまで当たり前だった名前が、
予定表から消える。

でも、
関係そのものまで
きれいに消えるわけではない。

目次

毎日会っていた頃より、むしろ静かになる

働いていた頃は、
特別に仲が良かったわけではなくても
毎日少し話していた。

雑談。

確認。

ちょっとした愚痴。

その積み重ねで、
距離は自然にできていた。

でも職場を離れると、
その理由がなくなる。

用件がない。

報告もいらない。

何か送るほどでもない。

だから、
急に静かになる。

それでも完全には遠くならない

たまに名前を見る。

SNSで近況を知る。

誰かの話の中に出てくる。

誕生日に短くやり取りする。

それだけなのに、
不思議と他人になりきらない。

近くはない。

でも遠すぎもしない。

説明すると薄い関係に見えるのに、
実際には少し温度が残っている。

会わないからこそ保たれる距離もある

職場にいた頃は、
小さな摩擦もあった。

考え方の違い。

忙しさ。

役割。

その場の空気。

毎日会うからこそ
引っかかることもあった。

でも離れると、
そこだけが薄くなる。

残るのは、
その人の話し方とか、
助かった場面とか、
笑った記憶のほうになる。

だから以前より
むしろ自然に思い出せることもある。

無理に続けているわけではない

頻繁に会うわけではない。

約束も少ない。

連絡も途切れる。

でも、
たまに何かあれば普通に返せる。

少し時間が空いても、
変な説明がいらない。

そこに
今の距離がある。

役割が消えても、関係だけが少し残る

職場では、
肩書きや担当が先にあった。

誰が何をするか。

誰に確認するか。

何を頼むか。

でも離れたあとに残るのは、
その人そのものに近い。

仕事でつながっていたはずなのに、
仕事がなくなったあとに
ちょうどいい距離だけ残る。

それはたぶん、
無理に続けている関係ではなく、
一度同じ時間を通ったことだけが
静かに残っているからだと思う。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

35歳以降の言葉になりにくい感覚を記録しています。
人と時間のあいだに残るものを観察しながら、別の形の対話もつくっています。

コメント

コメントする

目次